「コミュニケーション能力を育てる」
昨夜は、ものすごい量による雨音が激しく、梅雨後半の水害発生が心配になるほどでした。それより、コロナの心配を洗い流してもらいたいものですね。
子どもたちは、いよいよプールです。たいして広くはないので、まるでいもの子を洗うようですが、大きな声を出して水かけや泳ぎ回る景色が広がります。世の中はいろいろありますが、この子たちには、今しかできないことをたっぷりと味あわせていきたいものです。
ところでコロナ禍のもと、いわゆる「三密」(密閉・密集・密接)を避けた生活をしてきました。そして、「テレワーク」や「ズーム飲み会」などがいつも耳に入ってきて、「新日常」なることばも盛んに言われています。人と人との間に距離を置きながらの生活らしいですが、それは既に人格ができあがったおとなの話であって、成長期にある子どもの世界は、あくまでも「旧日常」が必要です。
なぜなら、「群生本能」がある人間は、ひとりで生きていくことはできず、そのために幼い時から多くの他人と接し、コミュニケーション能力を育てなければならないからです。
そのための大切なポイントは、次の通りです。
① 赤ちゃんの時からいつもまわりの人のことばをいっぱい聞き、それを吸収して自分でどんどん話せるようになっていく。
② ちがった人間がいっぱいいる集団の中に入るのをいやがらず、喜んで多くの他人と接していくようにする。そうすれば自分の使えることばの量も増え、また、いつどんなところでどんなことばを使ったらよいかを学んでいきます。
③ ことばだけでなく、それを話す人間そのものに興味・関心を持つようにする。
ことばはあくまでもコミュニケーションの道具です。しかしことばの中には、その人が持つ考えや人格があらわれてきます。人が好きで興味・関心があれば、ことばを通じてその人全体を理解することができるようになります。
④ いつも、他人の話すことにしっかりと耳を傾ける姿を見せておく。
ひとはひとりでは生きられませんが、どうせなら他人から好かれて生きたいものです。どんな人が一番好かれるかといえば、自分の話をしっかりと聞いてくれる人です。そんな人はなかなかいないから、貴重な存在になりますよ。
⑤ コミュニケーション能力がうまく備わっていけば、単なることばのやりとりではなく、他人と自分との信頼関係が生まれてきます。そして、互いに支え合って歩いていける社会を実現することができます。
これから仮に「新しい日常」が現れるにしても、人間として生まれたからには、まわりの人たちと心地良い関係を保ちながら生きていきたいものですね。
理事長 江口 浩三郎 より