「外遊びで育つもの」
待ちに待った運動会が近づいてきましたね。子どもたちも盛んに身体を動かして外遊びの時間にもそれぞれの種目の“自主練”を楽しむ姿がみられます。皆でさんざん練習した後にもまだまだ動きたい!ということでしょうから、子どもたちは本当に身体を動かすことで大きな喜びを得られるのでしょうね。
ところで、日本では子どもの体力が低下の一途をたどっていると言われて久しいですが、体力や運動機能の向上は、子どもが「自由に身体を動かすことのできる時間の長さ(+場所の広さ)」に比例しているそうです。今月は、外で思いっきり身体を動かしながら遊ぶことで育まれるものについてお話したいと思います。
育まれるもの1:体力や運動機能
自由に身体を動かすことで、体力や運動機能は向上します。運動というと「体育」と結びつける方も多いと思いますが、実は自由に身体を動かせる時間が大変貢献しているそうです。体育活動では「跳び箱の飛び方」などの技術的なことは身に付くでしょうが、子ども達の「しなやかな身のこなし」は日々の自由な遊びや活動から導かれるバラエティーに富んだ動きから身についていくものです。
育まれるもの2:危険回避能力
ブランコのような少し危険を感じる遊具で日々遊ぶことにより、子ども達の危険回避能力が育ちます。例えばスポンジで囲われたような、絶対に怪我をしないような場所でばかり遊んでいると、どんなに無茶をしても大丈夫と、間違ったメッセージを受け取ることになります。安全確保は第一ですが、少し高いところや滑ってしまうような場所で遊んでみることで少しずつ育まれているものなのです。
育まれるもの3:社会性
以前『人生で必要な知恵は全て幼稚園の砂場で学んだ』という本が出て話題になっていました。子どもたちは、異年齢での外遊びを通じ、友達を作ったり、集団で遊んだり、できない子を手伝ってあげたり、大人の目の届かないところでの諍いを自分たちで解決したり、とその後の人生で必要な社会性をたくさん育んでいます。大人の管理がキツく、設定された遊びの中ではなかなか育むことができない本当の意味での協調性や思いやり。エミールさん達がよく「思いやりがあるね」と評されるのは、もしかしたら外でたっぷりと遊んでいることにも関係があるかもしれないですね。
以上、3点あげてみましたが、実はまだまだ他にもたくさんの利点があります。ご家庭でも、例えば、
・休日は公園や自然の中に繰り出して、走ったり、登ったり、身体を動かす遊びをする。
・車移動ばかりでなく、歩いて行く、公共の乗り物を使ってみる(地球環境のためにも)
・必要以上の心配をやめ、子ども同士で遊んでいる場合はゆる〜く見守る
などなど、家のソファに張り付いている子ども達をできるだけ外に誘ってみてはいかがですか? 園長より