「大きな声が出せるようになる」
明けましておめでとうございます。
本年も皆様のご活躍とご健康を心よりお祈りしております。
さて、年末のクリスマス発表会は子どもたちに大いに楽しませてもらいましたね。たった1ヶ月弱の期間に、一日1時間程度の練習であんなに見事に演じることのできる子どもたちの底力には、毎年のことながら本当に感動させられます。
何年か前のことですが、小学校の先生をしておられるある保護者の方から、「エミールの子どもたちは、本当に大きな声を出すことができて素晴らしいですね。小学校の劇で同じように大きな声を出してもらおうとした時、皆なかなかお腹から声を出すことができないことに気がつきました。小さい頃に大きな声を出した経験がないと後からはなかなか難しいものがあるみたい…」という話を聞きました。
確かに、「子どもの大声」というと、何か良くないような文脈で話されることが多いですし、私も経験がありますが、この劇の期間中、家でも大きな声と振りで毎日のように、一生懸命でかわいいなと思いつつも、ご近所のことを考えるとヒヤヒヤさせられ、「もう少し小さい声でね〜」、などと嗜めたり、大きな声を出させないようにすることのほうが多い気がします。
ですが、考えてみれば、この先生がおっしゃったように、「大きな声で自信を持って人前で話すことができる」ということは、のちに学校で何かを発表したり、社会に出てからも、プレゼンテーションや面接など、いろいろな場面でとても必要な技術ですね。
そして、この「楽しみながら」の、お腹から大きな声を出してみる経験は、幼児期の今しかできないことかもしれません。
また、以前から「声を出す」ことは運動の能力で、腹部や声帯の筋肉の運動を上手に制御しながら少しずつ出せるようになっていくものという話をしていましたが、「舞台の上で大きな声でセリフを言う」となると、そこには運動面だけでなく、精神面での発達、つまり気持ちの上での「自信」が育まれていないとなかなか難しいと思います。
大きな声で人前で自信を持って演技をこなす子ども達を観ながら、その未来の姿に想いを馳せ、その成長がますます楽しみになったひと時でした。
今年も、園と家庭で連携を重ねながら、子ども達の成長をしっかりと支援していきましょう。
園長 より