「敏感期2~子どもの秩序が育つとき~」
そろそろ梅雨到来でしょうか、雨の日が増えて来ましたね。先日の自然遠足も雨のため急遽マリンワールドへと変更でしたが、新しくなったイルカショーや昨年はいなかったペンギン達に会えるなど、子ども達は大いに楽しんでいたようです。
さて今月は、先月からの続き、6歳までの子ども達の成長の後押しをしてくれる「敏感期」の中でも、Dr.モンテッソーリが「秩序の敏感期」と呼ぶ時期についてお話ししたいと思います。
「秩序」とは、人間生活において欠かせないものです。洗濯物を畳んだり、部屋を片付けたりというような日常生活においてはもちろん、物事を考えたり、計算したり、何かを作り上げたりする際も私たちの「秩序感」は大いに役に立ってくれます。
この「秩序の敏感期」、ちょうど1歳半〜2歳ごろの子ども達に訪れ、4歳〜4歳半ごろまで続くと言われていますが、この時期の子ども達がやたらと物の位置や順番にこだわったりする姿は、まさにその表出です。例えば、いつも登園の際に通っている道からちょっとでも外れたり、いつもおいてある物の場所をちょっと変えたりするだけで、こちらは大したことではないと思っていても、子ども達が本当に嫌がったり「ちがう!」と騒いだりすることがありませんか? 園でも、先生達がいつもとは違う手順で絵本を読んだりすると(右手で持っている本を左手で持つなど)多くの子どもが「こっち!」などと指摘してくれます)
これら全ては、子ども達が彼らなりに後々の人生で必要な秩序感を育てている最中だからこそ起こるわけです。「正確に物事を成し遂げたい、論理的に考えたい」という感覚は人間の生まれ持っている傾向性ですが、幼い頃に培われた秩序感はこのことを可能にする大きなツールの一つになります。
とは言うものの、、、やたらと細かいことにこだわるこの時期の子ども達には手を焼きますよね。ちょうど「自己肯定の危機」とも言われる「イヤイヤ期」と重なるのも、子育て中のお母さんお父さんにとっては、いい加減にしてほしい!と頭が痛い時期なのではないでしょうか。
この時期の「こだわり」が強い子ども達に対する私たち大人ができることとしては、まずその現象自体を「子どもが育っているからこそ起こるもの」だと認識し、あえて抵抗せずに(わがままを言っているわけではありませんので)、なるべく秩序正しい生活や環境を用意してあげることです。例えば通園の道順をいつも同じにする、物の定位置を決めてあげる、日々のルーティンを変えない、などを心がけ、外側の秩序をしっかりと整え、子ども達の秩序感がしっかりと育つように援助してあげることが一番です。
子育て中はいろんな悩みやうまくいかないことがあるかと思いますが、今しっかりと育てるべきものが育っていると後から大きなご褒美が返ってきます。ここは忍耐を持って取り組んでみてください。 園長より