「危険回避」
子どもの育ちは「安全」だけが優先になると「危険」です
今年の夏は本当に暑かったですね。皆様いかがお過ごしでしたでしょうか?
暑い日々が続く中、朝のまだ少し気温が低い時間や夕方の時間を利用して外遊びをする子ども達を見ていると、皆が上手に木陰を利用しながら、砂場遊びや虫取りをしている姿が印象的です。また少し暑くなってくると玄関ロビーに入って涼んでいるような様子もうかがえます。子ども達も、暑さを凌ぐ術を少しずつ身につけ、子ども達なりに考えて動いているのだなと、改めて感心させられた瞬間でした。
こんな子ども達の様子から、暑い時の熱中症対策や怪我防止のための安全対策を重んじるがあまり、子ども達が「自らの経験を通じて養う危険回避能力」を阻むようなことがあってはいけない、という思いが改めて湧いてきました。
というのも、このような事例は、全国・全世界的にもたくさんあり、例えば…
・ブランコをはじめ危険な遊具を全ての運動場から取り除いていった結果、何年か後の調査では、ちょっとした危険を体験してない子ども達が増えたことにより、逆に大きな怪我が増加していた。
・「突然死症候群SIDS」を過度に恐れるあまりに、仰向け寝が推奨され、その結果起きている時間も常に仰向けにしたままの状態にする親が増加、うつ伏せになったり、体を起こしたりする機会が減った乳児の運動発達の低下が目立つようになった。
・感染症の流行時に、子どもに過度な殺菌を促していたためにのちにその子ども達が潔癖症を発症させることになった。
など、大人の過度な「保護本能」や「恐怖症」に駆られた安全対策が、結果的には、真逆の結果や他の面での発達の欠如を生み出してしまうことになりかねない事例には事欠かないわけです。
とはいうものの、私たちは子ども達の安全を優先せざるを得ないという限界や責任もあるので、そこのバランスを取る判断は本当に難しいです。(うちの園庭には今もブランコが残されていますし、これで怪我をしたという子も近年はほとんどいませんが、園庭からブランコが消えてしまったところは多いと思います)
ただ、この先、私たちの地球環境は温暖化の影響を受けさらに過酷になってしまうかもしれないことを思うと、子ども達が近い将来そんな未来と向き合って、危険な場面では自ら考えて、正しい判断を行い、自ら行動する、という能力は必要不可欠です。
ご家庭と園の連携のもと、子ども達が自らの危険回避能力を徐々に高めていくことができるよう、今後も大人からの指示や介入を必要な分だけほどほどに、子ども達により多くの経験と学びの機会を与え続けていたいものですね。
園長より

