「モンテッソーリ教育を受けた子どもたち」
朝夕の風がヒンヤリと心地よく、秋の到来を感じさせるこの頃です。季節が変わるということは人の気分も変わるということで、この秋には何が待ち受けているのでしょうか。
それにしても、未だに収まりをみせないコロナ禍です。「ウィズコロナ」などと言ってますが、実際に感染したらその影響は大きいはずです。それでも、子どもたちの明るさと元気のなかに、希望を託して進んでいきましょう。
ところで私たちは、在園している子どもたちの活動や成長については、多くを語ることができますが、卒園後の姿については語る資料を持ちません。ところが幸いなことに、今は亡き相楽敦子先生が、標題の本を残してくれました。数百例のデータを基にした卒園後の子どもたちの成長例です。全てが「なるほど」とうなづけることばかりですので、ここで皆さんにも紹介したいと思います。
① 人格面について
・自分で判断し、自分の責任で行動する。
・自分の考えを持っていて、他人の考えや意見に流されない。
・善悪の判断がきちんとできる。
・自分で決めたことは、最後までやりとげる。
・何にでも、意欲的・積極的・前向き。
・目標や計画を立てて行動する。
② 生活面について
・生活のリズムを、規則正しく実行する。
・時間を効率よく使う。
・準備,段取り,片づけなど、仕事の手順が良い
・あいさつがきちんと出来る、礼儀正しい。
③ 人間関係面について
・人の話をしっかりと聞く、注意深く見る。
・他人の立場を考える、思いやりがある。
・積極的に友だちを作り、ユーモアで人を楽しませることが好き。
・人のことを肯定的に考える、人の長所を見つけてほめる、人の成功を喜ぶ。
④ 学習・能力面について
・集中して聞き、その時間に理解する。
・自分で興味をもったものに、意欲的に取り組む。
・解決能力がある。
・本が好き、読むのが早く読書量が多い。
・頭が整理されている、数学が好き。
⑤ その他で共通していること
・小学校高学年の頃から、自立が目立ってくる。
・自分がやりたいことがはっきりしていて将来の仕事への夢がある。
・外国へ行くことを自分で決め、自分で段取りしてひとりで旅立つ。
生きていく上での素晴らしい資質を紹介してきましたが、これがいわゆる「モンテッソーリチルドレン」の姿です。決して夢物語ではなく、モンテッソーリクラスでの子どもたちの中から、どんどんその芽が生まれています。環境や先生を信じ、自分への信頼感が高まっているのが、何よりの証拠でしょうね。
理事長 江口 浩三郎より