「早いうちに変えていこうー正常化への道」
梅雨入りとはいえ、まだ大した雨は降っていませんが、決して油断は禁もつです。コロナも、感染者数がかなり減少してきましたが、このままなんとか落ち着いてもらいたいものです。
子どもたちの活動は、暑さが増してきても変わりません。うまい具合に虫を見つけては、自慢げに見せてくれます。そしてプールも始まります。毎日、にぎやかな歓声を耳にするのが、何とも言えず楽しみです。
ところで、子どもは皆誰でも、素晴らしい素質を持って生まれてきます。たとえば、「自発性がある」「思いやりの心がある」「明るい性格である」「安定感があり協調性を持っている」「従順な気持でルールをよく守る」等々です。ところが、幼い時の何かマイナス面がある環境の影響で、良い素質が影をひそめ、代わりに、「無気力である」「乱雑で騒々しい」「気持ちが不安定である」「うそを言う」「不安感を持っている」等が表に現れてくることがあります。
しかし心配はいりません。子どもの人格はまだ固定せず柔軟性がありますので、できるだけ早い段階で適切に対応していけば、グングンと変わっていくのを私たちは経験上よく知っています。
具体的な対応の仕方は次のとおりです。
①敏感期に対応できるモンテッソーリ教具や教材が準備された環境に、子どもを置いてやる。そのためには、準備するおとなの、子ども
の成長に対する理解力や観察眼が欠かせません。
②子どもが、自分の意思で教具や教材を選んでいけるような雰囲気を作ってやる。これを「自由活動保証の原則」と言います。
③子どもは誰の指図も受けずに、また活動時間や活動場所も制限されずに「お仕事」に取り組み、何度も繰り返して続けていきます。こ の「繰り返し動作」は子どもの大きな特徴でもありますので、心ゆくまでやらせてあげます。
④繰り返すうちに子どもはどんどんはまりこみ、「注意集中現象」の状態になります。まさにこの瞬間がポイントで、子どもの中に何かの変
化のきざしが芽生えてくるのです。
⑤集中してお仕事に取り組み内容を完成させた時、子どもは大きな「満足感」や「達成感」を味わいます。そして、スーと心がおだやかさ で満ちる時でもあります。
モンテッソーリは、この順序を「正常化への道」と名づけました。そして、子どもの性格に良い効果を及ぼすのに唯一の道だと断言しています。私も長い経験からその通りだと思いますし、園の先生も疑いもなく信じています。
さあ今日も、子どもたちにこの道を通らせてあげましょう。応援と期待の心を込めながら。
理事長 江口 浩三郎より