「活動のサイクル」
6月、いよいよ梅雨到来ですね。先月までの気持ちのいい晴れ続きとは打って変わって、雨の日も多くなってきました。それでも子どもたちは少しの晴れ間も逃さず、園庭でたくさん体を動かしながらそれぞれの活動に精を出しています。
そんな外遊びの時間、園庭を通りかかると、「えんちょうせんせ〜見て〜!」と、たくさんの子どもたちが自慢げに、できるようになったばかりの逆上がり・うんていを渡る・跳び箱を飛ぶ・山小屋を登るなどなど、できるようになったことを色々と披露してくれます。他にも、きれいに丸めた泥団子・発見した虫・育った野菜・砂場でつくった池などを見せてくれる子達もいて、園庭を横切るだけで30分くらいかかることもあるくらいです。
こんな子ども達、大人からみると一見何気なく遊んでいるように見えるのですが、実は一人一人、何らかの目的を持って、さまざまな新しいことに、自分がまだできない何かに一生懸命に取り組んでいることがわかります。
誰から言われたわけでもなく、自ら選んだ活動に本当に熱心に取り組む姿は胸を打たれるものがありますが、こんな子どもたちの「活動のサイクル」を分析してみると、、
1)自分で活動を「選ぶ」
2)自分で選んでいる真にやりたいことだからこそ「繰り返し」何度もやる
3)何度もやっているうちに「集中現象」が起こる
4)やらされてではなく自分でやったからこそ感じる「できた!」の体験
5)さらなる「やる気」へ →1へ戻る、を繰り返していることがわかります。
モンテッソーリは、このサイクルを毎日何度も繰り返すうちに、子どもたちは “喜びに満ちあふれた人間”へと成長すると言っています。
つまり、喜びに満ち溢れ、自信を持った人間に成長してもらうためには、この「活動のサイクル」を邪魔しないようにしないといけないわけです。
私たち大人は子どもの成長を願うあまり、ついつい先に手を出したり口出ししたり、この「活動のサイクル」を途中で止めてしまうような邪魔ばかりしてしまいがちです。ですが、このサイクルがしっかりと成就するためにも、ここはあくまで「大人の意志を子どもの意志と置き換える」ような手出し口出しをやめ、まずは「自分で選ぶ」ことをさせてあげなくてはこのサイクルが成り立たない、というわけです。
一人でも多く「喜びに満ち溢れた子ども」に育ってもらうためにも、まずは自分の思いを一旦横に置き、じっくりと子ども達の活動をしっかり観察することから始めてみませんか。
園長 大原 青子より