「劇づくりと自由選択の意義」
あっと言う間に師走です。日中はまだまだ暖かい日があるものの、朝晩かなり寒くなってきましたね。
先日の父母の会役員の方々の尽力により開催にいたった「エミールまるしぇ」。初の試みということで、出店者が集まるのかな、お客さんは来てくれるかな、などと心配していましたが、その心配をよそに大盛況のうちに終わり、本当に嬉しかったです。父母の会の皆様には、園のためにお忙しい中たくさんの時間を割いていただき大変感謝しております。また、遊びに来てたくさんの買い物をしてくださった皆様も本当にありがとうございました。
さて、12月は園の一大イベント「クリスマス発表会」が開催されます。子どもたちの楽しい劇の数々を再び観られると思うと、今からワクワクしますね。
ところで皆さん、この劇の制作過程で、主題決めから脚本作り、役決め、セリフや動きなどなどその制作過程の多くを子どもたち自身が決めていることをご存知ですか? 例えば主題を決める際も、先生は日々の本の読み聞かせで人気があった主題をいくつか選択肢として用意し、その中から子どもたちと話し合った上で子どもたちに選んでもらう。役を決める際には、練習初めの時期にそれぞれの子どもがいろんな役に挑戦し、演じてみて好きだった役を選ぶ。というように、大人側で全て決めてしまうのではなく、子どもたち自身がさまざまなことを考えて選択し、決定していくことによって、劇は「誰かにやらされているもの」ではなく、「自分たちで作り上げる」という感覚持って楽しみながら参加するものになるわけです。
さて、(保護者の皆さまには一番関心があるでしょう:)役決めに関してですが、主役ばかりが人気かと思いきや、意外にも子どもたちには悪役も人気のようです。子どもたちにどうしてその役を選んだのかと聞いてみると、「セリフが面白かった」「動きが好きだった」というものから、年長さんくらいになると「やりたい役は他の子もしたいと言ったからこっちの役にした」というように、他の子のことを考えて役を譲るというような姿も見られ、その成長ぶりに驚かされることもあります。
生活のあらゆる場面で、子どもが「自由に選ぶ」ことが保証されているモンテッソーリ教育ですが、子どもたちは色々なことを繰り返し体験し、考え、身につけた知識を総動員しながら自分の意思で「選ぶ」に至る。この「過程」こそを大切にしながら、子どもたちの健やかな意志の発達を引き続き応援していきたいと思います。 園長より