「開花する日を心まちに‥」
ご入園・ご進級おめでとうございます。
4月になり、ようやく少し暖かくなり、桜の開花も始まりましたね。
園の近隣では、室見川沿いの桜並木が名所となっていますが、毎年あの美しく開花した並木を見るたびに、小学生頃、同級生だった室住団地の少年野球チーム所属の男の子達が、チームの監督たちと一緒に川沿いに苗木を一本ずつ植えてものすごく大変だった、と話していたことを思い出します。確かに、あれだけ長い距離にわたって等間隔に1本ずつ植えていったわけですから、さぞかし大変だったと思います。
ですが、そこから40年以上を経て、今でもこの桜が本当にたくさんの人々に毎年大きな喜びを与えてくれていると思うと、当時の野球少年たちの苦労は大きく報われる気がしますよね。そしてなんとなくこの話から、子育てのことを連想しました。
小さな子どもの子育て、その最中はストレスフルで自分の時間も生活の余裕もないので何かと楽な方に流れがちです。でもそんな中でも敢えて、子どもにとって最良は何かを熟慮しながら、手間を惜しまず、苦労しながらも手塩にかけて育てるその努力は、必ず報われていくのではないでしょうか。
反対に最初から手を抜いて楽な方ばかりに流れていると、その大変さは長続きするばかりか、どんどん手に負えない状況になっていくということもあるかもしれません。
「労力をかける」vs.「手を抜いて楽する」、例えば…
・布おむつ vs. 紙おむつ
・手作り離乳食 vs. インスタント離乳食品
・スクリーンを見せない vs. スクリーンに子守りさせる
・動き回らせる vs. ベルト付き椅子に座らせっぱなし
・歩ける子を歩かせる vs. 歩けるのに抱っこ
・服を自分で着られるようやり方を教える vs. さっさと着せる
・甘いお菓子を与えない vs. 甘いお菓子を与える
・理由を説明して納得させる vs. 怖い声で怒る
・子どもの話の話を聞き会話する vs. 指示を与えるのみ
…などなど、いくつでも例を挙げることができるのは、私自身も少なからず身に覚えがあるからなのです。もちろん、忙しくストレスフルな日々の中、少しくらいは便利な方法に助けてもらうことも必要でしょうが、人生最初のこの数年、少し労力のかかることでも手を抜かず、丁寧にしっかりと育てていくことにより、子どもたちは必ず、ある日大きく開花する姿を見せてくれることになるでしょう。
園長より