「なぜ活動を自分で選ぶのか~自由選択の理由~」

今年度もとうとう最後の月になりました。卒園式も再来週に控え、エミールこども園で過ごしてきた年長児達がこの最後の時期にどんな姿を見せてくれるのか、まだまだ驚かされることがあるのでは…とワクワクしています。
さて、私たちの園の考えの大きな柱となっているモンテッソーリ教育ですが、この教育と従来の教育現場との一番大きな違いは、なんといっても子どもが活動を「自由選択」することでしょう。大人が選んだ活動をさせるのではなく、「子どもが自分で何をするかを選ぶ」ことを保障しているのには次のような理由があります。
①自分で選んだ本当にやりたいことなので、常にモチベーションが高く、楽しんでやり続けられる
→ 集中力、継続力、「学ぶことの楽しさ」が育まれます。
②自分で「選ぶ」ためには、それまでの体験から培った知識を駆使して、日々、どの選択肢(活動・やり方)を選ぶかの比較・検討する機会を与える。
→ 自分で考える回路、論理性、推論力を育む。
③間違った選択をした時にその結果を体験する機会を与える。
→自分で選んだ結果を体験することで、少しずつより良い選択ができるようになる。柔軟に考える力が身に付く。
以上、そう考えてみると、「選ぶ」ということはそんなに簡単なことではなく、日々の生活の中で、何度もいろいろな場面で自ら意志決定していくことでしか身につきません。
人生はさまざまな選択の連続で進んでいくわけですから、幼い頃のまだたくさん失敗してもいい時期に、自分の考えで選んでみて、その選択がいいものでも間違ったものでもその結果を体験し、少しずつ良い選択肢を選ぶことができるようになる、これがとても大切なことだと思います。
いつも人からあてがわれてばかりの人々は、その人生の最終章に自分の人生は何だったの?となりかねない。ですから、子ども達にはしっかりと自分で考えて、その選択肢からより良いものを選びとることができるようになっていってほしいと願います。
最後に、いつもながら、ここで一番の大きな障害物となるのが私たち「大人」です。子どもに失敗させないように、嫌な思いをしないように、…とついついこちらで選んであげることをしてしまいがちですが、ここはグッと我慢。子ども自身の選択を尊重し、その結果で学んでいく場面で邪魔をせず、見本を見せたりやり方を教えたりすることで、間接的に援助していくことを学んでいきたいものです。良かれと思ってつい手を出し口を出し、なかなか実践は難しいのですが、子ども達が真の選択力を身につけてもらうためにも、家庭と園でしっかりと手を取り合って、今後とも一緒に学び続けましょう。
園長より
「発達の第二段階への入口」


園庭からは毎年恒例の「あっぷーあっぷーあっぷっぷ!」という元気な掛け声が聞こえてきます。最終学期も2月となり、もうすぐコマまわし大会です。
さて、1月からホールに開かれた6歳コーナーには、各クラスから年長のみどりさん達が自信満々の顔でやってきて、クラスにはない目新しい活動に目を輝かせながら取り組んでいます。0歳からの6年間を「発達の第一段階」とすると、6歳からはとうとうその「第二段階」に突入。様々な活動を展開させる年長児たちの姿をみていると、発達の第二段階の特徴とその姿が重なります。
この第二段階には、第一段階にはなかったいくつかの特徴がありますが、中でも大きなものをいくつか挙げてみると…
①想像力がより豊かになる
第一段階の間に現実に根付いた情報をたくさん収集した子ども達は、その情報をもとに想像力を働かせることができるようになり、具体物がなくても抽象的に考えることができるようになります。例を挙げると、「消防車に羽根があって飛んだらすごいよね!」などと話してくれたり、指を使わずに頭の中でたし算をすることができるようになったり、また小学生になるとよくたわいもないジョークを言ったりすることができるようになるのも、この想像力のおかげですね。
②推論することが好きになる
5歳くらいまでは「これ何?」「なんていう食べ物・乗り物?」など、目の前にある事物の名前を知ったり、いろいろなことを言語で表現すること自体に関心があります。何かのためというよりは理由を考えずに楽しそうならとにかくやってみるという活動の仕方でしたが、6歳からは徐々に「どうしてそうなるの?」「その理由は何?」というような物事の仕組みや関係性に関心が移ってきて、「この色とこの色を組み合わせたら何色になるかな?」「‘億’の次は何?」「折り紙で恐竜作れるかな?」「地球の中はどうなってる?」などの答えを導き出すための活動が多くなり、想像力を駆使して、物事を推論することを楽しむ様子がよくみられます。
③群衆本能・社会性の芽生え
これも、第一段階ではほとんどの子が一人活動が多かったと思いますが、みどりさんになったあたりからは徐々にお友達と一緒に活動する姿がちらほら。6歳コーナーでは、多くの子達が2〜3人で一緒に活動する姿が見られます。それもそのはず、今までは自分自身を創る(自己形成)ことで精一杯だったのが、この辺でそれはある程度まで完成し、ここからは仲間との関係性を築いていくことに発達の重心が移っていくような感じです。例えば今までは「お母さんこれ好き?」「先生からすごいねって言われた」など周りの大人の価値観が最大の関心事だったのが、一転して、「〇〇くんからカッコいいって言われた」「〇〇ちゃんと一緒にやって楽しかった!」など、大人からよりも、仲間からどう受け入れられているのかの方が重要になってくるようです。
毎日一緒に過ごしているとつい見過ごしてしまいそうですが、子ども達が確実に一歩一歩発達の駒を進め、気がつくと大きな成長を遂げている姿には本当に感動させられます。
園長より