「未来のひらくためのいくつかの鍵」
暖かいおだやかな日射しがあふれて、春が来たと感じさせるようになってきました。北国の大雪の様子をテレビで見るにつけ、何とも九州は有り難いところですね。
この3月でお別れするみどり組さんも、これまで毎日目いっぱい活動を続けてきたので、心を残すことはないでしょう。将来記憶に残ることは少なくても、その分私
たちはしっかりと見届けてきました。実に良いスタートを切れたと確信しています。
ところで、人には誰でも、生まれつき備わっている優れた能力(長所)があります。2才児なのに、サッカーボールをうまくけったり、3才児でも、きれいなフォームで走ることが出来たり、音譜も読めないのにカラオケがうまかったりすることです。子どもたちがこれから長い人生を歩んでいく時、自分の長所をいかにうまく伸ばし活用できるかによって、人生をコントロールすることができます。そのためには、幼い時からのトレーニングが必要ですから、そのポイントをいくつか挙げてみましょう。
①自由意思に基づく自己選択能力…自分が持つ長所は、自分自身で見つけなければなりません。そのためには、他人の意思で行動するより、自分の気持を大切にしながら、目標に向かって進むことです。子ども園での毎日の活動は、まさにそのことを実行しています。登園するということは、自己実現のためということです。否応なしに自分で選び自分で行動していくことのなかで、真の自分というものを発見していきます。
②次に、今は出来ないけれど、練習すれば出来るようなことに向かってチャレンジする気持です。幸いというか当たり前というか、子どもはまだできないことだらけで、それだけにやる気満々です。また回りの友達もみんなやる気満々です。目標に向かって進むなかで、解決すべき課題も見つかります。身体の動かし方も身につけてきます。
そのなかで、何が自分の得意なのか、どんなところに興味が向いていくのかを発見していくのです。
③また、人間社会での連帯感を養っていくことです。人はひとりでは生きられません。常に他人との関係が必要になってきますが、できれば良い関係の中で生きてみたいものです。子どもたちは、その人間関係の初歩を学んでいます。年令や性別、体格、性格がそれぞれ違う仲間と、一日中接しています。自分を通せる時もあるし、我慢する時もあるでしょう。時には負けることもあるし、気が合わないと感じることもあるでしょう。全てが将来に向けてのトレーニングです。その中で、自分自身を感じ取ることができるようになるのです。
みどり組さんは、園での最後の月となりました。クラスでも、園庭でも、6才児コーナーでもその姿を見ていると、これまで述べたポイントを身につけた活動ぶりを、充分に感じさせてくれます。永い未来を開いていくための準備はすっかり整えたと、自信を持って言うことができます。
理事長 江口 浩三郎より