「心の安定が成長をうながす」
元号が「令和」と改められたのを祝うかのように、藤棚の藤がいつもより数多く咲きほこっています。藤の花の下の砂場で、今日も無心に遊ぶ子どもたちは、「令和」の名のもとで、どんな生き方をしていくのでしょうか。今、ひとつだけはっきりしているのは、外国の人たちとのつき合いが多くなることです。人口減少と人手不足への対応として、外国の人たちの力を借りなければいけないからです。今よりも変化に富んだ社会が、作られていくのでしょうね。
ところで、「五月病」ということばがあります。これは、4月に始まる「新入園」・「新学期」「新クラス」「新職場」等で表される、「新しい環境」への対応がうまくいかなかったときに迫る、精神的不安定をいいます。
今まさに子どもたちはこの時期にいますが、「五月病」などで貴重な時間をつぶさないためのポイントを考えてみましょう。
- 自分といっしょにいることを喜んでくれる人が、まわりにいっぱいいること。
なぜなら、そこには「笑顔」があります。楽しい「会話」があります。愛されていると感じることが出来ます。まわりのことで心が乱されることもなく、いつもおだやかな気持ちでいられるでしょう。
- 自分のまわりに、興味が持てるもの、面白そうだからやってみたいなと思われる、いろんな物が揃っていること。
どの子にも、0才から6才ぐらいの間に、いろんな種類の「敏感期」がやってきます。それは「神様から与えられた宿題」ともいえるもので、それを果たしながら成長の階段を昇っていくのです。だから宿題ができるように、「教具・教材」が準備されておかなければなりません。それに一生懸命取り組むことによって、気持ちが満足し安定してきます。
- おとなが、余計な手出し口出しをせず、子どもの意思を尊重し自由な活動を保証してやること。
子どもには、前向きな気持ちでどんどん進んでいこうとする自発性が備わっています。それなのにまわりのおとなが、子どもがまだ未熟だと思って、あれこれ口を出したり手を出したりしがちです。これでは子どもは、折角のやる気を失い不満がたまり、心が不安定になります。
いくつかのポイントを挙げてみましたが、おとなも同じでイライラ・ムシャクシャしたら、全くやる気が起こりませんね。子どものその日一日の成長を願うなら、毎日笑顔で登園させてください。そしたらその日は一日中笑顔で、どんなことにも夢中になって取りくんでいきますよ。
理事長 江口 浩三郎より