「発達の第一段階について」
相変わらず、春を思わせるような毎日が続いています。北国での雪も少ないようです。寒くないのは結構ですが、「地球温暖化」がここまで来たかと思えば、何とも落ち着かない気分になります。
子どもたちは、今でも半袖の子もいてこの暖かさを満喫しています。「コマ」と「糸」を大切そうに持ち歩いているオレンジさんの頭の中には、どんなイメージがあるのでしょう。永い人生を生き抜けるための、ひとつの芽ばえかも知れませんね。
ところで人間は、誕生後20数年かけて自分を創り上げ、人格を完成させていくと言われています。ただその過程ではいくつかの大きな特徴があり、6年ごとに変化するため24才までを6で割り、これを「発達の四段階」と呼んでいます。今回は0才から6才までの、「第一段階」の特徴はどんなものかについて説明します。
① まずこの時期の子どもは、抽象的理解能力が充分ではなく、自分で実際に見たり触ったり出来ることでものごとを理解していきます。だから子どものまわりには、実体験できる豊かな環境が必要です。
② 次に、まだ何が善いのか何が悪いのかの価値判断ができず、まわりの出来ごと全てを吸収してしまいます。だから、子どもの成長にとって善くないものは、全て取り除く必要があります。
③ この時期にしか表れない、強い吸収能力を持っています。大変な努力や学習をしなくても、いろんなことを身につけることができるのです。だからびっくりするようなスピードで成長を続けることができるのです。
④ それだけに、心と体の成長のアンバランスにおちいりやすい時期でもあります。私たちおとなはいつも子どもをしっかりと見つめて、子どもがおだやかで安定した気持ちでいるように、心を配っておく必要があります。
⑤ もうひとついつも感心させられるのは、ものごとに取り組むひたむきで積極的姿勢です。目を輝かせ、力の出しおしみをせず、出来ないことが出来るようになるまでチャレンジし続けます。
⑥ 体質的に見れば、元気そうにしていても結構虚弱です。これも、心身の成長のアンバランスが原因なのでしょう。
以上、0才から6才までの特徴を記しましたが、現に目の前にいる子どもたちを見ていたら、全くそのとおりですね。子どもの成長をサポートする私たちも、この特徴をしっかりと頭の中に入れながら、今やらなければならないことを実行していきたいと思います。
理事長 江口 浩三郎より